振り向くキミの笑顔が眩しくて

気付いたらアイドル沼。好きなものを好きなように。

「少年たち 危機一髪!」をみてきました

先日、「少年たち」を観劇してきました。
その結果、あまりに「少年たち」が好きすぎる自分に気付き、気持ちが高ぶりすぎたので、ここで身勝手な感想をしたためようと思います。

そもそも「少年たち」と言えば、言わずもがなジャニーズの伝統的なミュージカル。
あおいさんが頭のナレーションで半世紀といっていたので、気になって調べたところ、初演は1965年らしい。

当時の「少年たち」は残念ながら見たことがないので、私にとっての「少年たち」プロトタイプは、2010年にデビュー前のエビキス、関ジュによって久しぶりに再演された「格子なき牢獄」となることはご容赦願いたい。

昨年(みにいけなかった)から引き続き、Snow man(以下スノーマン)と SixTONES(以下ストーンズ)の2組が中心となり上演されている。

 

さて、長々とした前置きはこのくらいにしておいて。

冒頭は、あおい輝彦さんのナレーションで幕開け。
多くのオタがここで「えび座(初代ジャニーズA.B.C-Zが演じ、その際に初代ジャニーズのメンバーであるあおいさんがナレーションを担当した。場所も今回同様の日生劇場)かよ!!」と突っ込んだことはいうまでもなく、わたしも例に漏れず突っ込んだうえ、笑いをこらえるのに必死だった。(あとでツイッターを見ていたところ、初日はオタがざわついたとのこと)

一部前半は刑務所で対立しあう2グループのダンスや歌で畳み掛けるように進むが、囚人服が妙におしゃれ。というか、着崩し方のパターンが多いシャツとパンツに別れたタイプだったからか、それぞれの着方がおしゃれなのだな。
あと、青と赤のつなぎドーンって感じだったのが、オレンジと緑がすごくさりげなく取り入れられていて、それもなんかおしゃれ。
ちなみに、それぞれに囚人番号があって背中に書かれているが、ふっか(河合くんの強火担)の「23」は河合くんの番号だから、ということでよかったでしょうか?(この番号はパンフレットなどで触れられているのかな?パンフ未購入なのが悔やまれる)

冒頭2グループがみんな出てきたときに、黒髪と茶髪が私の想定した人と入れ替わっていた関係で、人物把握にしばらくかかったのだけれど、とかくジェシーの輝きがすごかった。遠目で見てもキラキラしている。歌声も顔もスタイルも美しい。
以前から完璧な人だなあとは思っていたが、舞台上ではなおその輝きが素晴らしかった。

2グループ一緒に歌い踊る「俺たちは上等」は、にぎやかで楽しくて華やかで、これこれ~!と思わずにんまり。最初から気づいていたけど、残念ながら目が足りないことが判明。

ストーンズのメンバーが出てくる「僕に聞くのかい?」は、京本ちゃんの舞台スキルの高さに脱帽。みんながうまいんだけど、やはり経験の差なのか、京本ちゃんの舞台での自分のみせ方は群を抜いてました終始。
ストーリーテラーとして彼が物語をつなぎあわせ、引っ張っていっていたから、ひとつの物語としてのつながりが感じられたような気がする。

一方のスノーマン「嗚呼思春期」は、照のドラムをはじめとして、バンド中心の演奏。全編とおしてアクロバットしまくってるスノーマンだからこそ、この曲でバンド演奏をしてるのがいい。
この曲はなんか、世間とか現実にたいする理不尽さとか、そういうものに対する破壊衝動をともなった怒りみたいなものと、理解されないことの悲しみと諦めみたいな切なさがぐっちゃぐちゃになって、わーーーー!って叫びになったような曲で、スノーマンメンバーの怒りの発露がすごく痛々しくて、とってもぐっときた。
あと、なべしょがやっぱりいい声すぎるし、歌がうまい。大好きな声。

たしかこのあたりでジェシーがなぜここにいるのかの話として、照との過去が語られる。さかんに照が裏切られたというものだから、なにかもっとひどいことをされたのかと思いきや、まるで癇癪を起こした子どもみたいなけんかだったので、正直肩すかしをくらってしまったのだが、若い頃は些細なことが大きなすれ違いになってしまうものだよね。
その後、悪いやつらとつるみだした照が刑務所に入ったと知り、どうにか仲直りをしたかったジェシーも入所。刑務所まで追ってくるとは、、、その執念に心底拍手をおくった。それほど、ジェシーにとっては照が大切な存在だったのだろう。
しかし、とりつく島もない照。もしかして、刑務所まで追ってくるなどというストーカーに近い行為に引いていたのか……?と考えずにはいられない(ただ単に意地をはっているうちに、引けないところまで来てしまっただけだと思うが)。

そういえば、ここでジェシーが「京本が好きな歌は?」と聞き返すのだが、そこでいきなりストーンズのメンバーが現れ、「この星のHIKARI」(彼らの持ち歌)が披露され、度肝を抜かれる。ストーリー展開とか関係なし。これでこそジャニーズの舞台だ。
それにしても何度聞いても素晴らしい曲である。ストーンズはワイルドな曲を歌うことが多く、そういう楽曲が似合っているのは確かなのだが、キラキラアイドル曲も似合う天真爛漫さというか、少年らしさみたいなものを感じて、初見時には感動した記憶がある。ストーンズはアイドル力が高いグループだったということを思い起こさせられた。私も大好きだよ京本っちゃんと心底うなずいた。

これまでの少年たちでは、脱獄するまでに追い詰められてから2グループが団結していったけど、今回はジェシーが照とのデビューのためにつくった「君にこの歌を」を歌って、みんなが「めっちゃいい曲じゃん!争ってるのばからしいな」みたいな感じで仲良しに。
看守役があおいさんのナレーションだからか、看守から理不尽な暴力を受けるみたいなシーンもあまりなく、自分たちの生き方に悩み、苦しみ、そこから音楽の力で更生し、夢を見つけていくというような流れ。
めっちゃいがみ合ってたけど、気づいたらめっちゃ仲良しになってて、入浴して、みんなで桶ダンス。(この入浴から桶ダンスのシーンも物語の進行にはまっったく意味をなさないが、アドリブが約束されたシーンという意味ではファンには外せないシーン)
そこでまさかのふっかと北斗が兄弟との告白。「殴るふりしてた」みたいなこといってて、まじかよすぎる。そこにだけ着目して一度見返したい。

そして、夢を語らいあっているうちに、出所日が順調に近づく。そんななかでジェシーが先んじて出所することに(そういえばジェシーの罪状はなんだったのだろう)。しかし、出所後にジェシーは祖国(英語を話していたので、おそらく英語圏の国)の徴兵制にしたがって、戦地に送られるのだという。「そんなのおかしい!」と反発する仲間たちと「戦地にいくよ」と諦め顔のジェシー(ここの憂いを含んだ笑顔がよかった)。
この時点でも、照とジェシーの仲直りはまだで、京本ちゃんが照に追いすがるも、すげない態度。しかし背中を向けた照は、あきらかに辛い顔をしていて、もうプライドとかいいから素直になれよおおお!!!と願うも、ジェシーはそのままいってしまう。

これまでの出所は希望だったのに、、、こんな、絶望に向かう出所がありますか??とこの時点で私号泣。というところで第一部が終了。
ここまでは私のしってる少年たちな部分も多かったが、ここから未知の2部へ。。。

2部は出所後の少年たちの様子を追いながら、ジェシーの歌を世界に伝えたいと願う仲間たちを京本ちゃんがつなぎ、戦場にいるジェシーにつながっていく。

戦場でジェシーが出会うのがマリウスなのだが、180cm半ばのジェシーとならんでも遜色ないくらいスタイルがいい。180cmはあるらしい。なるほど成長期すばらしい。高身長で甘い顔の2人が並ぶとそれだけでなんか舞台上が美しい。
そしてこんなことをいうとファンの方に大変失礼だけど、想像以上にマリウスの演技が良い。すこし斜に構えた態度が少年然としていて、好感がもてた。

その後、敵地に偵察に行かされた2人は敵に見つかり、ジェシーがためらううちに、マリウスは銃弾に倒れてしまう。この出来事によって、心優しかったジェシーが心無い兵士となり人を殺しまくりはじめるのだが、マリウスの遺体を安全な場所に運ぶためにお姫様だっこをし、その遺体をいとおしそうに抱き締めるシーンに、その優しさをすべて込めている感があり、とても悲しくて、かなしいからこそ美しかった。

さて、ジェシーの戦場と並行して、それぞれの少年たちの出所後の動向が描かれるのだが、みんなそれぞれの夢を叶えていくためにもがいているところに、京本ちゃんがめぐっていくなか、深澤・松村兄弟の状況が一番理不尽でかなしい。
2人は生きていくために真面目に働き(おそらく同じ職場で)、がんばって生活をしていたのだが、職場で起こった金銭の窃盗事件の容疑者扱いをされたために、キレた北斗が同僚を殴ってしまったため、警察に追われている(しかしあんな廃墟に逃げ込むほどの大事になるのかは疑問)。
前科者としての過去を変えることはできないし、もう生きていても仕方ないと絶望する北斗を説得するふっか。(そういえばこの兄弟もなにをして捕まったんだろう)
北斗の死ぬ気を削いだあたりでラジオから流れる「君にこの歌を」を聞いて、2人は投降し、援護兵として戦場に向かう(?!)。
そして、この2人が戦場でジェシーに会うのだが、そこにはあの優しかったジェシーはいない。
……ということを戦場から京本ちゃんに報告する兄弟。このあたりから、突っ込みが追い付かなくなってくる。
そもそもラジオから「君にこの歌を」を流した阿部ちゃん(テレビのキャスターとなっている)は、超私信として公共の電波使っちゃってるし、ジェシーと兄弟は絶対違う国の人間のはずなのに、同じ軍にいるし、ピンポイントに戦地でジェシーに出会ってるし、戦地から京本ちゃんへの連絡がめちゃスムーズ。

いや、まだまだここは序の口でしかない。
その後、戦場のジェシーの状況を聞いた京本ちゃんがずっと行方不明だった照を探しだし、ジェシーの状況を報告。
あんなに頑固だった照、わりとすぐに折れてジェシーのため仲間のもとへ。
その頃、戦場に向かったキャスターの阿部ちゃんとカメラマンのさっくん。兄弟と合流し、ジェシーを発見し、カメラを回す(爆風にあおられたりしながら)。中継の繋がったスタジオには当時の仲間たちが集合。
「逃げてでもいいから、帰ってこい!」という必死の呼び掛けにも、ジェシーはすげない態度で銃を撃ち続ける。
そこで「君にこの歌を」を歌い出す照。はじめて正気に戻ったみたいな様子のジェシー。この歌の力が半端なさすぎる。
「でも、おれは戦地でたくさんの人を殺したから、みんなと合わす顔がない」と嘆きながら、なぜか小高い岩みたいなところに上っていくジェシー。戦地であぶなすぎるよ!!わかったから、とりあえず早く岩影にかくれてくれ!
案の定、敵に射撃され岩から落ちるジェシー。虫の息ななかで、照との夢の約束の証であるロザリオを北斗託して事切れるのだが、そもそもこの中継はどこかに放送されているのだろうか、、、。等と考えながら、私の目からは滝のような涙がとどまるところをしらない。

その後、そのロザリオを託された照が世界にジェシーの歌を伝えるため、みんなに協力を願い、みんなで歌って大円団を迎える。

物語の主軸はジェシーと照の夢(2人の歌を世界に伝えること)だったと思うが、そもそも、あの2人の関係とはなんだったのかということをずっと考えていた。
刑務所まで追いかけるほど照に執着したジェシーには、ほかに頼れる人がいなかったのではないか。おそらく照もそうだったのだろう。
だからこそ、些細な裏切り行為は大きな溝になり、2人を切り裂いてしまった。
祖国に頼れる家族もなく、照がジェシーにとって唯一無二の大切な存在だったからこそ、照との絆がもう修復できないなかで、社会のなかで生きていくことには希望をもてなかったし、戦場に行く=死が近くなるという状況も甘んじて受け止めたのかなと思う。
だとしたら、あの出所のタイミングで照がジェシーに仲直りを持ちかけられていたら、きっと心を持ったまま、歌をもったまま、ジェシーはいきるために戦えたのかもしれないと思う。
ただ、マリウスと話していた段階ではまだ諦めきっていなかったジェシーだったと思うから、そういう心もすべて、戦争というのは無慈悲に奪ってしまうということだったのだろうとも思う。

 

全体の構成として大幅な変更は戦争パートが2部に入ったこと(昨年からそうだと思われる)。
印象としては、これまでは周囲から理解されず、暴力でしか自分を表現できず、しかし実のところ愛に飢え承認されたい若者たちが、理不尽な暴力にさらされるなかで団結し、仲間を得、いきることに希望を見いだして、出所してそれぞれの自由を手にいれる成長物語という感じだったのが、1部にそれが集約された関係もあり、どうすればいいのかわからないけどとにかく腹が立つみたいな青さはわりとすんなりと終わる。それよりは出所後の世間で前科ものというレッテルのなかもがく姿や、戦争の理不尽さ(NEW!)が中心になっている印象だった。
これまでが家族愛や友情、夢などを中心にしたものと考えると、今回(もしかしたら昨年も?)のものは夢と平和がメインテーマであろうと感じられた(このとき、私の心はジャニーさんのことを思い出す)。

ただ、ストーリーにはそのような変更があったものの、とくに一部に関しては、あ、意外とそのままなんだなと感じる場面が多くあった。
おそらく、単純に歌が同じだったから。そして、私がこの少年たちを好きなのは、おおよそこの歌の部分に集約されるといっても過言ではない。
とにもかくにも、少年たちで使われている楽曲たちが大好きなのだと気づいた。CD音源としてリリースしてくれと願ってやまないが、そういうわけにもいかないのか、現状そのような予定はなさそうなので、おとなしく過去の少年たちを見返しているにとどまっている。

はたして歌はまったく同じだが、受ける印象はまったくといっていいほど違う。
とにかくうまいのだ歌が。みんなうまい。そしてクセがない。というか歌だけでなく、ダンス、アクロバット、演技もそつがない。みなが平均以上を感じさせる安定感だった。
別にエビキス、関ジュが下手だったというわけではないけれど、彼らはなんだかクセがあって、個性的で、自己主張がすごくて、粗削りな感じが、まさに「少年たち」のなかの少年たちとリンクして、とがったナイフのようだったので、それと比べると、おとなしいような印象すらあった。
もちろん物語の流れとしてそうなった面もあろうが、正直、あの狂った戸塚祥太の演技を見慣れてしまったというのは大きいと思う。

しかし、面々と受け継がれている「少年たち」という舞台が、若いジュニアたちの登竜門的な立ち位置で、その痛々しいくらいの若さをほとばしらせている作品にはかわりない。
デビュー前のジュニアだからこそのぎらつきと20代前後の若さゆえの無邪気さと儚さには心を揺さぶられずにはおれないのだ。あの危うい魅力は、年を重ねるとなかなか望むことはできない。

ちなみに、本編後のショータイムで2組それぞれの新曲が披露されたが、そのどちらもがあまりにも素晴らしく、その尊さに涙が止まらなかったことを最後にお伝えしておく。
もっと世間の多くの人に知ってほしくてたまらないので、なるだけ早いデビューの日を願わずにはいられない。